私は昔からマニュアル人間で、マニュアル通りに進まないとストレスを感じる性格です。
育児も然り。
マニュアルの内容やマニュアル人間を否定するつもりは全くありません。今でも読むのは大好きだし、参考にさせてもらう部分は沢山あります。
しかし、子育ては毎日悩みが変わるほどイレギュラー案件ばかり。
そして私はイレギュラー案件に弱すぎるメンタルの持ち主。
そんな私がマニュアルだけを用いて子育てするという事が向いていなかったのです。
怒ってばかりの毎日
2人目を出産する前は、1人目の息子を怒った事はほとんどありませんでした。
噂に聞く「上の子可愛くない症候群」を聞いてもピンこず、私は大丈夫なのではないかと過信していました。
しかし、2人目を出産した後
ワンオペ ✖️ イヤイヤ期の息子 ✖️ 乳児のお世話(寝不足)
このコンボにより心の余裕はあっという間になくなり、家事や下の子の世話を妨害してくる息子にどんどん腹が立つようになってしまいました。
息子は「自分を見てほしい」「構ってほしい」という気持ちを一生懸命伝えようとしているのだと頭で理解できていても、どうしてもイライラが収まらずほぼ毎日怒り、酷い時は怒鳴る事もありました。
まだ2歳の息子に怒鳴っていたんです。
そして、そのイライラは時に夫に向かう事もありました。
夫は「イライラを受け止めるのが自分の今の役目」と言ってくれましたが、大嫌いな嫌味を毎日のように言われて家に帰りたくないと思う日も少なくなかったと思います。
大きな喧嘩はしていませんが、誰にとっても居心地の悪い家だった事は間違いなかったでしょう。
イライラの原因
では、なぜそんなにイライラしてしまうのか。
それはもう明確でした。
「21時までに子ども達を寝かせたかったから」
では、なぜ「21時まで」なのか。
そうです。
私が読んだマニュアル本の多くに「21時までには寝かせましょう」と書かれていたから。
私はこの言葉に捉われすぎて、「何がなんでも21時までに寝かせたい!その為に18時までにご飯を食べて19時までにお風呂に入って・・・」と綿密なスケジュールを作り、それをどうしても実行したかったのです。
昔からスケジュール(計画)を立てるのが好きで、その通りに実行できるととても幸福を感じる性格でした。
その為、スケジュールの実行を妨害される事にストレスを感じてしまい、妨害者である息子にイライラが向いてしまったのです。
考えれば考えるほど自分勝手ですね。
私は、自分の幸福感を得る事しか考えていなかったのです。
気づきをくれた一冊の本
夫は「21時過ぎてもいいんじゃない?」と何度も提案してくれましたが、私はその考えを受け入れる事ができず、時計を気にしながら子育てをする日々が続きました。
そんな中、出会ったのが一冊の本
「子育てのきほん」 児童精神科医 佐々木正美 著
その本には、
お母さんは、子どもが喜ぶことをしてあげるだけでいいのです。
「よかれ」と思って、なおそう、正しい方向に導こうと、あれこれ毎日叱るよりも、放っておけばだいじょうぶ、「そのままでも別にだいじょうぶだよ」と受け止めてあげることのほうがずっと大切だし、結果的にいい方向に進むということが多いものです。
と、書いてあり、読み進めていく内に自分の中にある鉄壁の「21時厳守」というこだわりが消え、「もう何時でもいいか、息子の願いを優先的に叶えよう」という気持ちが生まれてきました。
著書にも書いてありますが、「子どもが喜ぶことだけをしてあげる=わがまま放題にさせる」という意味ではありません。時間には限りはあるし、毎日深夜まで遊ばせようとも思っていません。
でも、「〜しなければいけない」という思いが消えた。
これは私にとって、とてもとても大きな転機でした。
笑顔が増えた我が家
時間に捉われず、子どもの喜ぶ事だけをしてあげる育児を始めて以下の変化がおきました。
✅ 母(私)のイライラが大幅減少し、夜中の自己嫌悪時間が消滅
✅ 息子の笑顔が増え、癇癪やイヤイヤ、下の子をいじめる行動が減少
✅ 息子だけでなく、夫の笑顔も増えた
✅ 息子と娘が仲良くなった
✅ 寝る時間は遅くならず、むしろスムーズに進む事が増えた
考えてみれば、前から息子は、一緒に遊んだり、すぐに願いを叶えた後は、1人で静かに遊んでくれる子でした。
それは、自分の気持ちを親に受け止めてもらって満足していたからなのでしょう。
親からしたらとても小さな願いでも、子どもにとっては「今、とても大切なこと」なのだと改めて感じています。
正直、今でも時間が気になってモヤっとした気分になる事があります。これはもう思考の癖なのかもしれません。なかなか治りそうにない癖ですが、繰り返し意識的に動く事で改善していきたいと思います。
息子が産まれる前、夫が「理想の親は漫画「ARIA」のアリシアさん」と言っていて、「私には無理。あなたがなって」と伝えた事があります。(わからない方スミマセン)
でも、この「子どもの喜ぶ事だけをしてあげる育児」を続ける事ができたら、もしかしたらアリシアさんに近づく事ができるのかもしれません(笑)